第八期 第3回京都クオリア塾  令和4年7月9日/活動報告コンテンツの詳細ページ

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第八期 第3回京都クオリア塾  令和4年7月9日

 

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   「工芸史からみる日本の世界戦略とソフトパワー」
             前崎 信也(美術工芸史家 京都女子大学教授)

            2022年7月9日(土)10時~16時30分


3回は美術工芸史が専門の前崎教授、日本文化として自己を見つめなおす場として生まれた抹茶からまず日本のソフトパワーを紐解きます。高麗茶碗や楽茶碗などの当時価値のないものに価値を付けたアートプロデューサーが千利休で、現実逃避したいエリートのために家の中に掛け軸を掛け田舎の雰囲気を演出、自問自答するスペースを考案した。これが抹茶で、詫びはひっそり暮らすこと、寂は静かであることで、今のエリートも同じ、と語ります。アートはカタチがあるかないかではなく人が生み出したものなのに、日本では残念ながら美術・芸術との距離がありすぎる、と指摘されます。

 

 やきものといえば中国ですが、日本はこれまでに2回中国を越えた。1回目は17世紀初め、中国が明から清に代わる混乱の時代、オランダ東インド会社を通じて日本の陶磁器が輸出され、コピー製品が出回りました。もう1回は清の末期の19世紀末、ロンドン万博やパリ万博を経て明治維新後のウィーン万博に出展、当時の国家予算の半分を投じ“ジャポニズム”旋風をおこしますが、1900年のパリ万博では、前年に万国著作権条約を日本も結んだことで、ジャポニズムは終わり、アールヌーボーへとバトンタッチされます。

 

 日本が近代産業化への舵をきる際、日本が育んだ文化は世界から注目され今の日本をつくる礎となりました。しかし日本の文化予算はわずか1000億円、アメリカのような財団を通じた寄付活動も乏しく、感性を磨く美術教育ではない、などの現状をどう変えるかなどの意見が出され、京都企業と文化、アートを考える研修となりました。

 

 終了後、徳正寺に移動し藤森照信さん設計の茶室を見学したあと、煎茶一茶庵嫡承の佃梓央さんと煎茶を愉しみました。煎茶は江戸末期から明治初めにかけて大阪や京都の町衆たちの教養の場であり、中国は勿論世界を広げる機会となったそうで、塾生たちは本堂に飾られた南画の掛け軸と対話しながら自らの世界観を拡げていました。

 


 

第八期 第3回京都クオリア塾  令和4年7月9日の画像

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クオリア京都とは?

人間ひとりひとりの深く高質な感性(クオリア)に価値を置く社会、これは各人の異なる感性や創造性が光の波のように交錯する社会ともいえます。
京都からその実現を図ろうと、各種提言や調査、シンポジウムなどを開催した京都クオリア研究所ですが、2018年に解散したため、㈱ケイアソシエイツがその精神を受け継いで各種事業に取り組んでいくこととなりました。
クオリア社会実現に向けての行動を、この京都から起こしていきませんか?

 

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