京都クオリア塾/クオリア京都

 


 

 


 

第八期 第8回京都クオリア塾  令和5年1月21日

 

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    AIと人間の知能/コミュニケーション場のメカニズムデザイン」

      

               谷口 忠大(立命館大学情報理工学部教授)
               
                   2023年1月21日(土)


空洞化が進む和食、将来にわたってこの文化を守り継承していくには何が必要だろうか、と自身フィールドワーカーという佐藤特任教授、人類の歴史の中で辞めなかったことは「食べること」と「生産」、食物連鎖の歴史からは逃れられない、と語ります。日本人のコメ消費量は半世紀前と比べ4割に低下したが、最終的にはコメに戻る。そのためには食べ方改革が求められると強調します。

 

 人類は走る力や消化力が弱いことから雑食となり、「共食」というスタイルを確立し、西ユーラシアは小麦とジャガイモ、家畜を食料とし、東ユーラシアはコメや麦などの雑穀と魚という天然資源が命を支えてくれた。田んぼの畔には「畔豆」と呼ばれる大豆が育ち、その根に着いた根粒菌が窒素を吸収してコメの肥料となった。まさに循環型システムだが、この50年の化学肥料によりそのサイクルが壊れてしまった。コメから油や団子、あめなど30種類の食品が生まれ、大豆からは豆腐や納豆などこれも20種類以上の食品が生まれており、コメと大豆は和食にとっては極めて需要な食材である。

 

 京都盆地の豊かな地下水を活用して、大豆から豆腐や湯葉などがつくられ、都の消費を支えるための京野菜が盆地周辺の地域で栽培され、消費者へ届けるふり売りが生まれた。京都の食文化は、仕出し文化と料理人と生産者を繋ぐ契約栽培、そしてふり売り、この生産者・消費者・料理人を結ぶトライアングルから成り立っている。

 これら京都で育まれた料理の「知」「技術」「芸術」を子どもたちに伝え、外食ではなく「料理する社会」へ変えていくことが今こそ重要と結ばれました。

 

 この後は佐藤特任教授を囲んで、和食と生態系の維持、注目されている昆虫食、京都のオーバーツーリズムの解決策などについて活発な意見交換が行われました。

 

 

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