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第二期 第4回京都クオリア塾 / 平成29年1月21日

 

第4回京都クオリア塾は、トランプ大統領の就任式直後に、国際政治学が専門の京都大学公共政策大学院院長の中西寛氏のお話を伺うという最高の機会をいただきました。

今回のテーマは「世界に向けた日本の強みとは何か?」。中西院長は、政治の仕組みを変えようという兆候が表れた選挙であって、従来の選挙分析が当たらなかった、と予想外だったトランプ勝利に触れた後、1970年代のアメリカ一極型グローバリゼーションは90年代に頂点に達する、そして9.11テロからリーマンショックにかけて改めて否定された出口のない国際秩序の重荷が、2008年のオバマ政権を生み歴史的にみるとこれがターニングポイントだった。その背景に80年代後半から大量に受け入れてきた移民問題があり、活力を生む一方で数多くの文化摩擦が生じ、ポピュリズムが今回の選挙結果の要因となった。今年はヨーロッパ各国で多くの選挙がありポピュリズムの流行がどのような結果を生むのかだが、米中欧ロに印日を加えた大国を軸に新たな国際秩序、国内枠組みを作れるか否かが問われている時である。

では、世界の中での日本を考える、と、ポピュリズムは日本でも日本新党・細川政権ブーム、小泉政権、橋本維新などがあるが、移民問題などの相対的低さで文化的に亀裂が少ない、が理由で大きな政治勢力とはなっていない。

D.アトキンソン氏の「新・観光立国論」で、これからの成長源の文化産業と短期移民問題の重要性を指摘しているが、日本人の日本に描く治安の良さやおもてなしといったイメージと、海外からの気候や豊かな自然といった期待のギャップが大きい。これは日本人自身が日本文化を世界の視点で理解してこなかったから、と述べている。

日本の文化を見直してみると、明治初期には西田幾多郎や鈴木大拙、新渡戸稲造らは“真のグローバル人材”であった。西田幾多郎は「日本文化は、所謂形のない文化、芸術で言えば音楽的な文化である。だからこれまで色々の外国文化を取り入れてきた。日本文化は次々に外国文化をそのまま採り入れて自分がまた変わっていくところに特長を有ち、種々な文化を総合していく…ここに非常なフレキシビリティを有っている訳である」(「日本文化の問題」講演版一部抜粋)と紹介、その為には、世界を「視圏」として捉え、文化を軸にした普遍的な価値を意識しようと問われました。

第4回のファシリテーターは京都学園大学の篠原総一学長が務め、グローバル社会と文化の関係などを、法学と経済の両面から学ぶ機会となりました。

 

 

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