第2回は、京都大学公共政策院大学の中西 寛院長と、グローバル時代、日本は世界とどう向きあうか、をテーマに学習しました。中西院長はまず「トランプ現象の意味するものー『終われない』戦後秩序の苦しみ」についてスピーチ、ポピュリズムの流行、アメリカ政治の変化を指摘した上で、生命力を失ったが死ねない秩序の転換には、大胆で独創的な発想の転換が重要と語られました。そして「世界に向けた日本の強みは何か」を考える際、明治初期には西田幾多郎、鈴木大拙、新渡戸稲造ら真の「グローバル人材」がいたのではないかと問いかけました。そして、西田幾多郎の「日本文化の問題」を例に引きながら、日本的なるものを育み普遍的価値を意識することの重要性を訴えました。そして、発想の転換には、国家から世界を見るという国際化ではなく、世界から国家、社会や企業を見るグローバル化に対応するには、視野よりもっと広い広がりで考える「視圏」が必要と話されました。そしてクオリア研究所の西村周三所長がファシリテーターを務め、グローバル時代における京都企業の特性や売りについて考えながら、「視圏」を磨くことなどについて意見交換をしました。この後、下京区の徳正寺「矩庵」で煎茶を楽しんだ後、京都女子大学の前崎信也准教授を囲んで「日本製品が海外で売れる時―工芸の歴史からみる日中関係」をテーマに、近代における日本工芸の海外展開と中国との関係を学びました。
データ検索中...