大変革の時代、人生の折り返し地点に立つ企業人に新たな気づきと人生そのものを考えなおすきっかけをと、始まった京都クオリア塾、この4月から第3期がスタートしました。
第3回は「工芸史からみる日本の世界戦略とソフトパワー」をテーマに、京都女子大学生活造形学科の前崎信也准教授がスピーチ、陶芸を例に先端技術が伝統に代わった歴史をひもときながら、「伝統文化の使い方」について考えました。
毎日の暮らしに欠かせない陶磁器ですが、中国では芸術ではなく科学技術の結晶であり、大航海時代に広く西欧などへ輸出されました。日本も中国の国力が弱った明から清、そして清の末期に進出、ジャポニズムとして高く評価されました。その後、伝統技術としての窯業と伝統工芸に二分され、「伝統」といわれた工芸は衰退の道を歩み始めます。
日本人のアイデンティティといわれる文化ですが、江戸末期から明治にかけて国策として取り組んだ博覧会への出展などで、中国とは異なる日本独自の文化の発信の必要性を気づかされます。有名なフェノロサ、ジャポニズム運動に大きな影響を与えたクリストファー ドレッサー等の貢献も忘れることができない、と話す前崎准教授、塾生は目からうろこの連続でした。
西欧人に理解してもらえるよう日本独自の文化を発信してきた日本、今年はちょうど開国150年でもあり、文化の役割を考え直す絶好の機会、文化の使い方について意見交換しながら、隣国中国との関係を捉え直す機会をいただきました。
引き続いての文化体験、裏千家の茶名を取得した中国人の歐陽國樑さんを亭主に簡単な茶事を楽しみました。歐陽さんは、ローザンヌのホテルスクールの卒業、その後バチカンで弁護士資格を取得するなどマルチな方で、まさに日本文化を体験する機会となりました。
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