第十期 第2回京都クオリア塾  令和6年6月15日/活動報告コンテンツの詳細ページ

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第十期 第2回京都クオリア塾  令和6年6月15日

 

    2回             2024年6月16日(土)10時~17時

        「伝統工芸から考える日本の未来 万国博覧会とアート」

                                       前崎 信也(京都女子大学生活図形学科教授)

  村上隆さんの展覧会が京都市京セラ美術館で開催されているが、村上隆といえば2008年、ニューヨークのオークションで「マイ ロンサム ボーイ」が16億円で落札された。ゴッホやピカソ並みの値段だが、日本の絵画などがこのような高額で取引されるケースはほとんどない、と語る前崎教授、ご自身が関わられたインターネットミュージアム「グーグル アーツ & カルチャー」でも日本のコンテンツの紹介が少ない。これは世界は日本人を重要なマーケットと思っていないから、と語りながらアートの価値について紐解きます

 

文化庁の予算はわずか1000億円でそのうちの半額は文化財保護、お金の話をしてはいけないとされる美術史の世界だが、権力者にとって美術とは何かと問いかけます。宮殿を飾る道具であり、権力の象徴、そして資産としての芸術、と価値の基準はたくさんあるが、誰が持っていたかが大きなポイント。オークションの世界もかつては参加者のみしか結果を知りえなかったが,今やオークションが繋がり世界共通の値段となった。ルイ16世とマリー アントワネットが宮殿の一部を開放して始まった美術館は、今やシェアすることにより価値に値段をつける時代となった。

 

アートを美術と訳したのは森鴎外だが、ネーチャーと対極にあり人が関わるモノ全てをアートということができる。明治6年のウィーン万博からアートを美術と表現し、フィラデルフィア、シカゴ万博などを経て日本は世界の美術教育を取り入れながらカテゴリーをつくってきた。前崎教授は万博と深い関係がある美術だが、来年に迫った大阪・関西万博で日本の価値をどう表現するのか、と結ばれました。

午後からはアート思考やデザイン思考についての質問が続き、日本のブランディングをどうするかなどについて活発な意見交換が行われました。

 

その後会場を徳正寺に移し、一茶庵摘承の佃梓央さんと文人茶会を愉しみました。大阪で花開いたサロン文化、前崎教授も参加して時間を忘れての交流となりました。


 


 

第十期 第2回京都クオリア塾  令和6年6月15日の画像

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クオリア京都とは?

人間ひとりひとりの深く高質な感性(クオリア)に価値を置く社会、これは各人の異なる感性や創造性が光の波のように交錯する社会ともいえます。
京都からその実現を図ろうと、各種提言や調査、シンポジウムなどを開催した京都クオリア研究所ですが、2018年に解散したため、㈱ケイアソシエイツがその精神を受け継いで各種事業に取り組んでいくこととなりました。
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