第五期 第2回京都クオリア塾 / 令和元年6月15日
「音楽を足場として世界を考えよう」と語りかけた岡田教授、東西冷戦の終了でグローバル化が進んだが、一方で文化がやせ細り、21世紀に入って息苦しささえ感じるようになった。音楽の歴史を振り返ると19世紀はヨーロッパでクラシック音楽が全盛だったが、20世紀にはいるとアメリカが中心となり、ジャズやポップスを含めた自由な音楽文化が世界へと広まった。
そこには音楽を通して時代を語り理想を示したカリスマがいた、と話されます。
大変革の時代をどう生きぬくか、日々戦いの連続である塾生を前に、音楽やアートはブレークスルーを起こす間接的媒介であり、ぶっ飛んだ感性のアートにこそイノベーションの源泉があるのではないか、と。
そして人間の機能がAIで代替できるのではといわれる今こそ、自分の足で「規格外」を探すことが必要では、と問いかけます。
そして、楽器ではなくコンピューターを使って再生した音楽演奏や、人工音声で人とコミュニケーションがとれるか、など最近の動きを動画を通じて紹介していきます。
五線譜は音楽の設計図であり、これにより再生を可能にした。では再現性と個性をどう捉えたらよいのだろうか。また19世紀に登場する指揮者は管理者と位置づけた岡田教授、自由さを失い答えは一つのみという今、音楽は言葉にならないものの創造力の入り口、であると締めくくりました。